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OffgridCalc

停電時の持続時間計算機: 電気なしで何日しのげますか

電気が止まったとき、手持ちのものでどこまでしのげるでしょうか。この計算機は答えを三段階に分けます。最低限だけ、基本的なところまで、ふだんどおり。いちばん大きな余裕はバッテリーの大きさではなく、何を動かし続けるかを決めるところにあるからです。

冬にとくに効きます。石油ファンヒーターは送風と点火に 50〜60 W しか使わないので、小さなポータブル電源でも丸一日暖をとれます。エアコンではそうはいきません。

停電中に動かす機器

段階 1 = 最低限、2 = 基本、3 = ふだんどおり。「100 V」の列は、1 がインバーター経由、0 が 12 V / USB 直結です。

手持ちのバッテリー

いざというとき何が使えますか

ポータブル電源、家庭用蓄電池、V2H の車載バッテリーなど。ポータブル電源は 2,048 Wh が一般的、家庭用蓄電池は 5,000〜10,000 Wh です。

停電中のソーラーパネルや発電機です。冬の数字で入れてください。12 月の 400 W パネルは数百 Wh にとどまります。

詳細設定

ポータブル電源は 85〜92%。家庭用蓄電池には非常用に一部を残す設定のものもあります。

100 V の機器向けで、ふつう 85〜92% です。

結果

最低限でもつ期間

1.1 日

機器 4 台、1,605 Wh/日

最低限の一日分と使える電力量の比較1,605 / 1,843 Wh
基本
1 日
機器 5 台、1,769 Wh/日
ふだんどおり
21 時間 19 分
機器 6 台、2,075 Wh/日
使える電力量
1,843 Wh
定格容量の 90%
最大の連続負荷
100 W
起動時は 300 W まで
最低限にすると延びる時間
6 時間 15 分
ふだんどおりと比べて
  • 冷蔵庫やポンプは動き始めに最大 300 W を引きます。お使いの機器の最大出力がこれを上回っていないと止まります。
  • ほとんどがインバーターを通っています。スマートフォン、照明、ラジオを 12 V や USB から取れば、変換損失と待機電力を避けられます。停電時なら 10〜15% はすぐに効いてきます。
  • はじめのうちは冷蔵庫と冷凍庫を開けないでください。それぞれ 4〜6 時間、24〜48 時間は自分で冷たさを保ちます。そのあとで数時間ずつ動かせば足ります。
  • 暖房設備や分電盤に非常用電源をつなぐ工事は電気工事士の仕事です。自立運転機能のない系統連系設備は、停電と同時に止まります。
計算の手順を見る
  1. 1使える電力量: 2,048 Wh × 90% = 1,843 Wh
  2. 2最低限 (機器 4 台): 1,605 Wh/日 → 1.1 日
  3. 3基本 (機器 5 台): 1,769 Wh/日 → 1 日
  4. 4ふだんどおり (機器 6 台): 2,075 Wh/日 → 21 時間 19 分
  5. 5最低限に絞ると、ふだんどおりに比べておよそ 6 時間長くもちます。

 

計算のしくみ

停電のあいだ、すべてを動かし続ける必要はありません。余裕はそこから生まれます。ですからこの計算機は答えを一つに絞らず、三段階 で示します。最低限だけにしたとき、基本的なところまで使ったとき、ふだんどおりに過ごしたとき、それぞれ何日もつかです。

どの機器をどの段階に置くかは「段階」の列でご自分で決められます。一覧にはあらかじめ現実的な配分を入れてあります。
段階動かすもの一日の消費量の目安
最低限冷蔵庫を控えめに、照明、スマートフォン、情報用のルーター1,000〜1,600 Wh/日
基本これに加えて石油ファンヒーターの送風、扇風機、ノートパソコン1,500〜2,500 Wh/日
ふだんどおりこれに加えてテレビ、電気ポット、そのほか3,000 Wh/日 以上
使える電力量 [Wh] = 容量 × 使える割合 段階ごとの消費量 [Wh/日] = Σ (消費電力 × 使用時間)、100 V 機器はインバーター効率で割る もつ日数 = 使える電力量 ÷ (消費量 − 充電量)
2,048 Wh × 0.9 = 1,843 Wh。最低限で一日 1,605 Wh なら一日強。ソーラーで 800 Wh 入れば二日以上

日本の停電は「長い」ことがあります

平常時の停電は年に数十分程度ですが、日本ではそれが目安になりません。2018 年の北海道胆振東部地震では全道が停電し、2019 年の台風 15 号では千葉県で復旧まで二週間近くかかった地域がありました。行政の備えの目安も 最低 3 日分、できれば 1 週間分 です。一日もつかどうかではなく、三日を基準に考えてください。

暖房と冷房は、考え方が逆になります

エアコンは暖房も冷房も、熱として出す分をそのまま電気で要求します。ポータブル電源ではまず動きません。一方、石油ファンヒーターは送風と点火に 50〜60 W しか使いません。2 kWh のバッテリーがあれば丸一日暖をとれる計算になり、冬の停電ではこの差が決定的です。電気を使わない反射式の石油ストーブなら、そもそもバッテリーが要りません。夏はその逆で、エアコンをあきらめて 30〜50 W の扇風機に切り替えるのが現実的な備えになります。

冷蔵庫と冷凍庫は、まず開けないこと

どちらもしばらくは自分で冷たさを保ちます。扉を閉めたままなら冷蔵庫で 4〜6 時間、中身の詰まった冷凍庫で 24〜48 時間、半分なら半分ほどです。とにかく開けないことが効きます。そのあとで数時間ずつ動かせば足ります。一覧で 8〜12 時間ではなく 6 時間を提案しているのはそのためです。

自治体の備えの手引きでは、数日分の水と食料、電池式のラジオ、懐中電灯、カセットコンロがすすめられています。バッテリーはそれらの代わりにはなりません。できるのは快適さを少し延ばすことだけです。水、食料、情報は別に用意してください。

数値で見る例

石油ファンヒーターのある住宅に 2 kWh のポータブル電源がある場合です。冷蔵庫を控えめに、ヒーターの送風、LED の非常灯、スマートフォン、ルーター。充電はなしとします。

入力値

  • 停電中に動かす機器:
  • Kühlschrank: 100 W × 6 時間/日 × 1 1〜3 × 1 1/0
  • Heizungspumpe: 60 W × 12 時間/日 × 1 1〜3 × 1 1/0
  • LED-Notbeleuchtung: 15 W × 5 時間/日 × 1 1〜3 × 0 1/0
  • Handys laden: 10 W × 3 時間/日 × 1 1〜3 × 0 1/0
  • WLAN-Router: 12 W × 12 時間/日 × 2 1〜3 × 1 1/0
  • Fernseher: 90 W × 3 時間/日 × 3 1〜3 × 1 1/0
  • バッテリー容量: 2,048 Wh
  • 一日の充電量: 0 Wh
  • 使える容量の割合: 90 %
  • インバーターの効率: 88 %

結果

1.1 日

最低限でもつ期間

基本
1 日
ふだんどおり
21 時間 19 分
使える電力量
1,843 Wh
最大の連続負荷
100 W
最低限にすると延びる時間
6 時間 15 分

計算の手順

  1. 使える電力量: 2,048 Wh × 90% = 1,843 Wh
  2. 最低限 (機器 4 台): 1,605 Wh/日 → 1.1 日
  3. 基本 (機器 5 台): 1,769 Wh/日 → 1 日
  4. ふだんどおり (機器 6 台): 2,075 Wh/日 → 21 時間 19 分
  5. 最低限に絞ると、ふだんどおりに比べておよそ 6 時間長くもちます。

入力値の説明

機器の消費電力、使用時間、段階、出力口
停電中に動かすもの、一日あたりの時間、どの段階から動かすか、そしてインバーター経由 (100 V) か 12 V 直結かです。
段階 (1〜3)
1 = 最低限、2 = 基本、3 = ふだんどおり。結果の三段階はここから作られます。
バッテリー容量 (Wh)
ポータブル電源、家庭用蓄電池、V2H の車載バッテリーなど。ポータブル電源は 2,048 Wh が一般的なクラス、家庭用蓄電池は 5,000〜10,000 Wh です。
一日の充電量 (Wh)
停電中に入ってくる分です。ソーラーパネルや発電機。冬は夏よりずっと少なくなります。
使える割合 (%)
ポータブル電源は定格容量の 85〜92% を出せます。家庭用蓄電池には非常用に一部を残す設定のものもあります。

よくある間違い

  • 冷蔵庫をすぐ動かしてしまう。扉を閉めておけば 4〜6 時間、冷凍庫なら二日近く自分でもちます。
  • エアコンを当てにしてしまう。暖房も冷房も、熱の分をそのまま電気で要求するのでポータブル電源では動きません。石油ファンヒーターなら送風の 50〜60 W だけです。
  • 夏の発電量で冬を計画してしまう。12 月のパネルはごく一部しか作れません。停電がこたえるのはまさにその季節です。
  • 起動電力を数えていない。冷蔵庫やポンプは動き始めに定格の 2〜3 倍を引きます。
  • 何でもインバーターを通してしまう。スマートフォンや照明を 12 V や USB から取れば、変換損失と待機電力を避けられます。
  • バッテリーを空のまましまっておく。ポータブル電源は充電されていて初めて役に立ちます。数か月に一度は充電してください。

前提と限界

  • 各機器の消費は一日のなかで均等に発生するものとして計算します。
  • 冷蔵庫と冷凍庫が自分で冷たさを保つ分は、控えめな使用時間としてあらかじめ織り込んでいます。別に計算はしていません。
  • 充電は毎日同じだけ入るものとして計算します。実際には天気次第です。
  • 温度による容量の変化は考えていません。寒い場所ではバッテリーの出せる量が減ります。
  • 家庭用蓄電池が停電時に使えるかどうかは機種によります。系統が止まると一緒に停止してしまう製品も少なくありません。

よくある質問

停電のときポータブル電源は何日もちますか

最低限だけに絞れば、冷蔵庫、照明、スマートフォン、ルーターで一日およそ 1,600 Wh です。2 kWh のポータブル電源なら一日強、5 kWh なら三日近くもちます。テレビや電気ポットを加えると、この時間はあっという間に半分になります。

停電のとき暖房は使えますか

暖房の種類によります。石油ファンヒーターは送風と点火に 50〜60 W しか使わないので、12 時間で約 700 Wh、小さなポータブル電源でも足ります。電気を使わない反射式の石油ストーブなら、そもそもバッテリーが要りません。一方でエアコンや電気ストーブは熱の分をそのまま電気で要求するため、現実的ではありません。なお、分電盤や暖房設備に非常用電源をつなぐ工事は電気工事士の仕事です。

停電のとき冷凍庫はどれくらいもちますか

中身の詰まった冷凍庫なら、開けなければ 24〜48 時間。半分ならその半分ほどです。冷蔵庫は 4〜6 時間。いちばん効くのは扉を開けないことで、一度開けるたびに何時間分かを失います。そのあとは数時間ずつ動かせばたいてい足ります。

停電への備えにはどれくらいの容量が必要ですか

最低限の段階で一日なら約 2 kWh、三日なら 5 kWh、一週間なら 10 kWh 以上です。ただし大きなバッテリーを買うより、消費を減らすほうがずっと安く済みます。最低限に絞れば容量は三分の一で足ります。行政の目安が 3 日分であることを考えると、まずは 5 kWh 相当を目標にするのが現実的です。

停電のとき自宅の太陽光発電は使えますか

そのままでは使えませんが、日本の住宅用パワーコンディショナにはほぼ 自立運転機能 がついています。手動で切り替えると専用コンセントから 100 V を取り出せます。多くは最大 1,500 W までで、日が照っているあいだだけです。切り替え方はふだんから確認しておいてください。切り替えずにいると、系統が止まると同時に発電も止まります。

家庭用蓄電池は停電のとき動きますか

自動で動くとはかぎりません。系統が止まると一緒に停止する機種もあります。対応しているものには非常用のコンセントがあるか、分電盤ごと切り替える仕組みが入っています。後者は電気工事が必要です。電気自動車と V2H 機器をお持ちなら、それが家庭で最も大きな蓄電池になります。

停電のときソーラーパネルはどれくらい助けになりますか

夏は大きな助けになります。400 W あれば晴れた日に 1,200〜1,600 Wh 作れて、最低限の段階なら一日分をまかなえます。12 月は数百 Wh にとどまりますので、備えの計画では冬の数字で見積もってください。

日本ではどれくらいの頻度で停電しますか

平常時なら一年あたり数十分程度で、世界的に見ても短いほうです。ただし災害時は話が別で、2018 年の北海道胆振東部地震では全道が停電し、2019 年の台風 15 号では千葉県の一部で復旧まで二週間近くかかりました。備えの目安が分単位ではなく日単位なのはそのためです。

出典と参考