独立電源システム計算機: パネル、バッテリー、コントローラー、インバーター
山小屋、タイニーハウス、農地の倉庫、獣害対策の電気柵。独立電源システムは、太陽が最も出ない月に動いていなければ意味がありません。この計算機はそこから始めます。PVGIS の月別データからあなたの使用期間で最も弱い月を取り出し、パネル出力、バッテリー容量、コントローラーの電流、インバーターの容量を導きます。
日本で気をつけたいのは、その月が 12 月ではないことです。東京では 10 月、つまり秋の長雨の時期が一年で最も弱くなります。一年中使う設備と夏だけの設備で、必要なパネルの大きさがあまり変わらないのはそのためです。
結果
必要なパネル出力
297 W
10 月 に一日 685 Wh をまかなうため
- バッテリー容量
- 208 Ah
- 12 V で、電力量にして 2,492 Wh
- チャージコントローラー
- 31 A
- 25% の余裕込み、MPPT 推奨
- インバーター
- 不要
- すべての機器が 12 / 24 V 直結で動きます
- 一日の消費量
- 685 Wh
- 12 V で 57.1 Ah
- 設計月
- 10 月 · 1 kWp あたり一日 3.46 kWh
- 日照なしの予備
- 3 日
- バッテリー容量を決める項目です
- 10 月 を基準に設計しています。使用期間の外では容量が足りません。
- 保護機器、ケーブルの太さ、雷対策はこの計算に含まれていません。電流の大きな直流回路は電気工事士に任せてください。
計算の手順を見る
- 1ポータブル冷蔵庫: 45 W × 10 h (直結) = 450 Wh
- 2ノートパソコン: 65 W × 3 h (直結) = 195 Wh
- 3LED 照明: 10 W × 4 h (直結) = 40 Wh
- 4一日の消費量: 685 Wh (12 V で 57.1 Ah)
- 5設計月: 10 月、1 kWp あたり一日 3.46 kWh
- 6パネル出力: 685 Wh ÷ (3.46 × 80%) × (1 + 20%) = 297 W
- 7バッテリー: 685 Wh × 3 日 ÷ 放電深度 85% ÷ 12 V = 208 Ah
- 8コントローラー: 297 W ÷ 12 V × 1.25 = 31 A
計算のしくみ
独立電源システムは四つの部品で成り立っています。ソーラーパネル、バッテリー、チャージコントローラー、インバーター。この四つが噛み合って初めて動きます。そして全体を決めるのは、たった一つの問いです。何月まで動いていてほしいのか。
設計月がすべてを決めます
パネルの発電量は月によって大きく変わります。夏しか使わない山小屋なら、一年中動かす設備よりずっと小さなパネルで済みます。この計算機は PVGIS の月別データから、あなたの使用期間のうち最も弱い月を取り出し、その月を基準にすべてを決めます。
| 使用期間 | 設計月 | 1 kWp あたりの一日の発電量 | 600 Wh/日 に必要なパネル |
|---|---|---|---|
| 夏のみ (5〜8 月) | 6 月 (梅雨) | 約 3.7 kWh | 約 245 W |
| 春〜秋 (3〜10 月) | 10 月 (秋雨) | 約 3.5 kWh | 約 260 W |
| 通年 | 10 月 (秋雨) | 約 3.5 kWh | 約 260 W |
日本では冬より梅雨と秋雨が問題です
ヨーロッパの独立電源システムは 12 月を基準に設計します。日本は事情が違います。東京の月別データでは最も弱いのが 10 月、次が 6 月です。秋雨前線と台風、そして梅雨で曇りが続くからです。12 月から 3 月はむしろ乾いて晴れ、気温が低いぶんパネルの効率も上がります。つまり、夏だけ使う設備と一年中使う設備で、必要なパネルの大きさがほとんど変わりません。北海道は例外で、積雪期があるため 12 月が底になります。
パネル出力 [W] = 一日の消費量 ÷ (設計月の発電量 × システム効率) × (1 + 余裕)
バッテリー [Ah] = 一日の消費量 × 予備日数 ÷ (放電深度 × 効率) ÷ システム電圧
チャージコントローラー [A] = パネル出力 ÷ システム電圧 × 1.25
ヒューズ [A] = インバーター ÷ (システム電圧 × 効率) × 1.25システム電圧で配線が変わります
同じ電力なら、12 V を 24 V にするだけで電流は半分になります。つまり細いケーブル、小さなヒューズ、安いコントローラーで済みます。目安としては、インバーターが 1,000 W までなら 12 V、それを超えたら 24 V、3,000 W からは 48 V です。2,000 W のインバーターを 12 V で動かすと 190 A 近く流れ、相応に太いケーブルが要ります。
数値で見る例
LED 照明、モバイルルーター、インバーター経由の小型冷蔵庫を置いた山小屋です。春から秋まで使い、南向きに傾けて設置、東京近郊、12 V システムに LiFePO4、予備 3 日。
入力値
- 機器:
- LED-Licht: 10 W × 4 時間/日 × 0 1/0
- Mobiler Router: 10 W × 8 時間/日 × 0 1/0
- Kühlschrank 230 V: 60 W × 8 時間/日 × 1 1/0
- 使用期間: 春〜秋 (3〜10 月)
- 地域: 日本 – 関東 (東京)
- パネルの向き: 南
- 傾斜: 傾斜 (30〜35°)
- システム電圧: 12 V
- バッテリーの種類: LiFePO4 (リン酸鉄リチウム)
- 日照なしの予備日数: 3 日
- パネル出力の余裕: 20 %
- ソーラーシステムの効率: 80 %
- インバーターの効率: 88 %
結果
289 W
必要なパネル出力
- バッテリー容量
- 202 Ah
- チャージコントローラー
- 30 A
- インバーター
- 60 W
- 一日の消費量
- 665 Wh
- 設計月
- 10 月 · 1 kWp あたり一日 3.46 kWh
- 日照なしの予備
- 3 日
計算の手順
- Kühlschrank 230 V: 60 W × 8 h (100 V) = 545 Wh
- Mobiler Router: 10 W × 8 h (直結) = 80 Wh
- LED-Licht: 10 W × 4 h (直結) = 40 Wh
- 一日の消費量: 665 Wh (12 V で 55.5 Ah)
- 設計月: 10 月、1 kWp あたり一日 3.46 kWh
- パネル出力: 665 Wh ÷ (3.46 × 80%) × (1 + 20%) = 289 W
- バッテリー: 665 Wh × 3 日 ÷ 放電深度 85% ÷ 12 V = 202 Ah
- コントローラー: 289 W ÷ 12 V × 1.25 = 30 A
- インバーター: 最大の 100 V 機器に合わせて 60 W、バッテリーヒューズ 7 A
入力値の説明
- 機器の消費電力、使用時間、出力口
- 機器に書かれた消費電力、一日に実際に動いている時間、そしてインバーター経由 (100 V) か 12 / 24 V 直結かです。
- 使用期間
- 設計月を決める項目で、計算のなかで最も効きます。ただし日本では、ヨーロッパほど通年と夏の差が出ません。
- パネルの向きと傾斜
- 通年で使うなら傾斜を強めにすると冬の発電が増えます。ただし日本の弱点は秋の長雨なので、効果はヨーロッパほど大きくありません。
- システム電圧
- 小さな設備は 12 V、1,000 W あたりから 24 V、3,000 W を超えたら 48 V。電圧を上げるほど電流もケーブルの太さも減ります。
- バッテリーの種類
- LiFePO4 は 85% まで放電できますが、鉛は 50% までです。同じ電力量を使うのに、鉛はほぼ倍の容量が要ります。
- 予備日数
- 太陽が出ない日をバッテリーで何日しのぐか。3 日が最も一般的です。
よくある間違い
- 夏に合わせて設計し、秋や冬に使ってしまう。日本では 10 月が一年で最も弱い月です。
- バッテリーを小さくしすぎる。曇りが三日続くのは普通のことで、予備日数がないと何度も空になります。
- 鉛バッテリーを 100% 使うつもりで計算してしまう。半分までにしないと寿命が一気に縮みます。
- コントローラーをぎりぎりの容量で選んでしまう。冷え込んだ晴天日にはパネルが定格を超えます。25% の余裕は計算のうちです。
- 何でもインバーターを通してしまう。照明、ポンプ、USB 機器を 12 V に直結すれば変換損失が減ります。
- バッテリーのヒューズを忘れてしまう。バッテリーとインバーターのあいだの保護は付属品ではなく必須です。
前提と限界
- 発電量は PVGIS (2005〜2023 年の平均) の地域別の基準地点の値です。樹木や建物の影は含まれていません。
- 消費量は一年を通して一定として計算します。実際には冬は照明が増え、夏は冷房が加わります。
- インバーターの容量は 100 V 機器のうち最大のもので決めます。同時に複数動かすなら合計してください。
- 充電効率と放電深度は、それぞれの種類についてメーカーの代表的な値を使っています。
- ケーブルの太さ、パネルの離隔、保護機器の正確な選定はこの計算に含まれません。実際の設計が別に必要です。
- 温度の影響は計算していません。0 °C を下回ると使える容量が減り、LiFePO4 は氷点下では充電してはいけません。
よくある質問
山小屋にはどれくらいのパネルが必要ですか
ほぼ使用期間だけで決まります。東京近郊で一日 600 Wh なら、夏だけの利用で約 245 W、春から秋なら約 260 W、通年でも約 260 W です。日本では通年と季節利用の差が小さいのが特徴です。北海道は 12 月が基準になるので、もう少し大きくなります。
独立電源システムのバッテリーはどれくらい必要ですか
一日の消費量 × 予備日数 ÷ 実際に使える放電深度です。一日 600 Wh、予備 3 日、LiFePO4 を 85% まで使うなら、およそ 2,100 Wh、12 V で 175 Ah ほどになります。鉛ならほぼ倍必要です。
12 V、24 V、48 V のどれを選ぶべきですか
インバーターが 1,000 W くらいまでなら 12 V で不都合はありません。それを超えると電流が扱いにくくなります。2,000 W を 12 V で動かすと 190 A 近くになるからです。1,000 W から 24 V、3,000 W あたりで 48 V に移ります。電圧を上げるほどケーブルもヒューズもコントローラーも安く済みます。
チャージコントローラーはどれを選べばよいですか
充電電流 = パネル出力 ÷ システム電圧に、25% の余裕を足します。12 V で 500 W なら約 52 A です。MPPT はほとんどの場合に見合います。PWM より 10〜30% 多く取り込め、パネル側の電圧を高くできるので、パネルからコントローラーまでのケーブルも細くできます。
日本で一年中使う独立電源システムは現実的ですか
現実的です。東京では最も弱い 10 月でも 1 kWp あたり一日 3.5 kWh ほどあり、ドイツ中部の 12 月の四倍近くになります。設備が極端に大きくならずに済みます。ただし北海道は 12 月が底になり、積雪でパネルが埋まることも考える必要があります。
予備日数はどれくらい見ておくべきですか
3 日が目安です。ひと荒れする期間に相当します。冬にも使う場合や、その電気に頼って生活する場合は 4〜5 日にしてください。台風のあとは数日続けて曇ることもあります。予備日数はそのままバッテリーの容量に跳ね返ります。
インバーターは必要ですか
100 V の機器を使うときだけ必要です。照明、ポンプ、扇風機、ルーター、USB 充電器は 12 V のものがそろっていて、12〜18% の変換損失とインバーターの待機電力を避けられます。冷蔵庫や電動工具、家電を使うなら避けられません。
小さな独立電源システムはいくらかかりますか
部品の価格は幅が大きいため、この計算機ではあえて金額を出していません。目安としては、たいていバッテリーが一番大きな出費で、次がパネルです。消費量を減らせば、その両方が同時に小さくなります。
出典と参考
- PVGIS 5.3 (欧州委員会 JRC): 地点・方位・傾斜ごとの月別発電量
- NEDO 日射量データベース: 日本各地の月別日射量
- チャージコントローラー、バッテリー、インバーターのメーカー仕様書 (放電深度、効率、許容電流)
- 電気設備技術基準および電気工事士法 — 直流回路の保護と施工は電気工事士に任せてください