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OffgridCalc

ベランダ発電の回収年数を計算する

手すりにパネルを 2 枚、接続機器が 800 W、かかった費用は 10 万円。何年で元が取れるでしょうか。この計算機は、向きと角度と影から年間発電量を出し、待機電力から家の中で実際に使える量を割り出して、年間の削減額と回収年数、そして寿命までの差し引きを示します。

電力量料金には全国平均を入れてあります。ご自分の単価を入れれば、検針票に合った結果になります。

設備

パネル、接続機器、取り付け方

定格出力の合計です。よくある構成は 440 Wp × 2 枚で 880 Wp。

家側に流せる上限です。ポータブル電源を経由するなら、その充電入力の上限にあたります。

パネルが向いている方角です。

手すりに垂直が最も多い形ですが、傾けたほうがはるかによく取れます。

隣のベランダ、樹木、庇など。部分的な影でも影響は大きく出ます。

基準地点は札幌、東京、福岡です (PVGIS、2005〜2023 年の平均)。

世帯

いつも動いているもの。自家消費を決める数字です

いつも使っている分です。冷蔵庫、ルーター、待機中の家電。一人暮らしで 80〜150 W、家族世帯で 150〜300 W が目安です。

設備が消費全体のどれだけをまかなうかを示すためだけに使います。日本の世帯は年 4,000 kWh 前後です。

小型バッテリーの実際に使える容量です。ない場合は 0 のままで。ある場合は、その値段を初期費用に足すのを忘れずに。

費用と電気料金

パネル、接続機器、金具、ケーブル。バッテリーや工事費があればそれも含めてください。

検針票に書かれている単価です。初期値は全国平均 (大手電力10社 2026) ですので、書き換えると正確になります。

系統につながない形なら 0 のままにしてください。連系して売電している場合のみ、買取単価を入力します。

詳細設定

将来の見込みです。2% は長期の物価上昇に相当します。

メーカー保証ではふつう年 0.4〜0.6% です。

パネルの寿命はふつう 20〜25 年です。

パネルの温度、汚れ、接続機器、配線の損失です。75〜85% が目安ですが、日本の夏は高温多湿でモジュールが熱くなるため低めに出ます。

結果

回収まで

6.5 年

初期費用 80,000円 に対して年 11,782円 の削減

発電量のうち自家消費した割合380 / 667 kWh
年間発電量
667 kWh
1 kWp あたり 758 kWh
うち自家消費
380 kWh
自家消費率 57%
年間の削減額
11,782円
ひと月あたりおよそ 982円
20 年後の差し引き
192,170円
削減額 272,170円 から初期費用を引いた額
使いきれなかった分
287 kWh
売電の契約がなければ収入にはなりません
年間消費量に占める割合
9%
この設備でまかなえる分
最も多い月と少ない月
1 月 83 kWh · 6 月 28 kWh
CO₂ の削減量
293 kg/年
  • 手すりに垂直だと、傾けた場合より三分の一ほど落ちます。金具で 30° 傾けられるなら、その価値は十分にあります。
  • すべて月平均からの概算です。天気、実際の影、生活の仕方によって 10〜20% は動きます。
計算の手順を見る
  1. 1年間発電量: パネル 880 W、南・手すりに垂直 (90°) (最適の 66%) = 667 kWh/年
  2. 2kWp あたりの発電量: 758 kWh/kWp
  3. 3800 W に対して 1.1 倍のパネル: 晴れた日の正午前後で切り捨て = 24 kWh/年
  4. 4待機電力 150 W での自家消費: 380 kWh/年 (発電量の 57%)
  5. 5使いきれなかった分: 287 kWh/年
  6. 6削減額: 380 kWh × 31円 = 初年度 11,782円
  7. 7回収年数: 80,000円 ÷ 11,782円 = 6.5 年
  8. 820 年で: 削減額 272,170円、初期費用を引いて 192,170円

 

計算のしくみ

ベランダ発電が得になるのは、作った電気を 家の中で使ったとき だけです。ですからこの計算機は自家消費率を決め打ちにせず、その日の発電の出方と家の待機電力を突き合わせて計算します。

年間発電量 [kWh] = パネル出力 [kWp] × 日射量 × 方位係数 × 影の係数 × システム効率 自家消費 = 発電のうち待機電力を下回っている分 削減額 [円/年] = 自家消費した kWh × 電力量料金
880 Wp を南向きに垂直設置すると東京でおよそ 690 kWh。待機電力 150 W なら約 65% を自家消費します
回収年数 = 初期費用 ÷ 年間の削減額
10 万円 ÷ 13,900 円/年 ≈ 7 年。電気料金が年 2% 上がるなら、もう少し早まります

向きと角度でここまで変わります

基準は南向きに 30〜35° 傾けたパネルです。それ以外の置き方では一部しか取れません。ベランダの手すりに垂直に固定する、いちばん多い形では三分の二ほどになります。

最適 (南・35°) を 100% としたときの割合を、東京の PVGIS データから算出しました。水平に近くても向きは効きます。10° の傾きでも北向きなら四分の一を失います。
向きほぼ水平 (10°)傾斜 (35°)垂直 (90°)
92%100%66%
南東 / 南西90%94%61%
東 / 西84%78%45%
北東 / 北西78%59%25%
75%50%13%

日本では「系統につながない」のが普通です

ドイツのように、パネルをコンセントに挿して家の配線に流し込む方式は、日本では一般的ではありません。系統につなぐには電力会社への連系の申し込みが必要で、工事も電気工事士の仕事になります。日本のベランダ発電はたいてい、パネルでポータブル電源を充電し、その電気を家の中で使う形です。この計算機はどちらの形でも使えますが、売電をしない前提であれば「余剰電力の買取価格」は 0 のままにしてください。

マンションのベランダは共用部分で、避難経路でもあります。避難ハッチや隣戸との隔て板をふさぐ置き方はできません。管理規約も必ず確認してください。もう一つ大切なのが台風対策です。手すりに付けたパネルが飛べば、事故につながります。固定は風速を見込んで設計してください。

数値で見る例

集合住宅でよくある形です。440 Wp のパネル 2 枚で合計 880 Wp、800 W の接続機器、南向きの手すりに垂直に固定、午後に少し影がかかります。待機電力 150 W の世帯で、一式 10 万円。

入力値

  • パネル出力: 880 Wp
  • 接続機器の出力: 800 W
  • 向き: 南
  • 取り付け方: 手すりに垂直 (90°)
  • 影: 少し (短時間、端のほうだけ)
  • 地域: 日本 – 関東 (東京)
  • 世帯の待機電力: 150 W
  • 年間の消費電力量: 4,300 kWh
  • バッテリー (任意): 0 Wh
  • 初期費用: 80,000 円
  • 電力量料金: 31 円/kWh
  • 余剰電力の買取価格: 0 円/kWh
  • 電気料金の年間上昇率: 2 %
  • パネルの年間劣化率: 0.5 %
  • 計算する期間: 20 年
  • システム効率: 80 %

結果

6.8 年

回収まで

年間発電量
608 kWh
うち自家消費
363 kWh
年間の削減額
11,246円
20 年後の差し引き
179,793円
使いきれなかった分
245 kWh
年間消費量に占める割合
8%
最も多い月と少ない月
1 月 78 kWh · 6 月 25 kWh
CO₂ の削減量
268 kg/年

計算の手順

  1. 年間発電量: パネル 880 W、南・手すりに垂直 (90°) (最適の 66%) = 608 kWh/年
  2. kWp あたりの発電量: 691 kWh/kWp
  3. 800 W に対して 1.1 倍のパネル: 晴れた日の正午前後で切り捨て = 14 kWh/年
  4. 待機電力 150 W での自家消費: 363 kWh/年 (発電量の 60%)
  5. 使いきれなかった分: 245 kWh/年
  6. 削減額: 363 kWh × 31円 = 初年度 11,246円
  7. 回収年数: 80,000円 ÷ 11,246円 = 6.8 年
  8. 20 年で: 削減額 259,793円、初期費用を引いて 179,793円

入力値の説明

パネル出力 (Wp)
定格出力の合計です。よくある構成は 440 Wp × 2 枚で 880 Wp。パネルを増やすのは、切り捨てが小さいうちは得になります。
接続機器の出力 (W)
家側に流せる上限です。ポータブル電源を経由する場合は、その充電入力の上限にあたります。
向きと角度
二つ合わせて、最適に対する割合が決まります。手すりに垂直だと夏は落ちますが、冬は相対的によくなります。太陽が低く、面にほぼ正面から当たるためです。
隣のベランダ、樹木、庇など。部分的な影でも影響は大きく出ます。いちばん弱いセルに引きずられるからです。
待機電力 (W)
いつも動いているもの。冷蔵庫、ルーター、待機中の家電です。その場で使える量を決める数字で、ふつう 80〜300 W です。
バッテリー (Wh)
任意です。昼の余りを夜に回します。夜に使う量を超える容量を入れても意味がありません。
電力量料金 (円)
検針票に書かれている単価です。初期値は全国平均ですので、ご自分の単価を入れるとぐっと正確になります。
初期費用
パネル、接続機器、金具、ケーブル。バッテリーや工事費があればそれも含めてください。

よくある間違い

  • 発電量と自家消費を混同してしまう。得になるのは家の中で使った分だけで、売電契約がなければ残りは行き場がありません。
  • 定格出力をそのまま信じてしまう。880 Wp の年間発電量は置き方次第で 450〜1,050 kWh、880 kWh に決まるわけではありません。
  • 垂直設置と傾斜設置を同じに考えてしまう。手すりに垂直だと、傾けた場合より三分の一ほど落ちます。
  • 影を軽く見てしまう。午後だけ木の影がかかるだけで、年間発電量の四分の一を失うことがあります。
  • バッテリーの値段を初期費用に入れ忘れる。自家消費は増えますが費用も増えます。同じ計算に入れてください。
  • 電気料金の値上がりを前提にしてしまう。計算上は回収が早まりますが、将来の見込みでしかありません。

前提と限界

  • 待機電力は一定として計算します。実際には調理や洗濯で山ができ、自家消費はもう少し増えます。計算は控えめな側に立っています。
  • 一日の発電の出方は、その月の日の出から日の入りまでを半正弦波で近似し、晴れの日と曇りの日に分けています。特定の設備を正確に知りたい場合は、時間別のシミュレーション (PVGIS) が必要です。
  • 発電量は PVGIS (2005〜2023 年の平均) の地域別の基準地点の値です。実際の場所では数パーセント変わります。地形による日陰は含まれますが、建物や樹木の影は含まれません。そのための項目が「影」です。
  • バッテリーは夜に放電できる分までしか充電しません。往復効率は 90% としています。
  • 保守、保険、撤去の費用は含まれていません。補助金も自動では適用されません。
  • 税務や法令の助言ではありません。系統への連系、管理規約、台風への固定は別に確認してください。

よくある質問

ベランダ発電の元は何年で取れますか

10 万円の一式を南向きの手すりに垂直に設置し、待機電力が 150 W の世帯なら、日本の電気料金でおよそ 7 年です。決まるのは三つの数字、初期費用、電力量料金、そして自家消費できる割合です。日中に在宅している世帯はもっと早く回収できます。

800 W のセットは年間で何 kWh 発電しますか

置き方と地域によって 450〜1,050 kWh です。東京で南向きに傾けると 1 kWp あたり約 1,200 kWh、手すりに垂直なら約 790 kWh になります。東向きや西向きはその中間、北向きは大きく下がります。

一年でいくら安くなりますか

削減額 = 自家消費した kWh × 電力量料金です。690 kWh 発電して 65% を自家消費し、単価が 31 円なら、年におよそ 13,900 円になります。日中に家にいる世帯や、待機電力の大きい世帯ではもっと増えます。

なぜ自家消費だけが効くのですか

日本のベランダ発電は系統につながず、ポータブル電源を経由して使う形がほとんどです。売電の契約がなければ、その場で使わなかった電気は行き場がありません。だから待機電力の大きさがいちばんの決め手になります。

バッテリーを足す価値はありますか

自家消費率は目に見えて上がります。例では 65% から 80% 以上になり、削減額もそれだけ増えます。ただしバッテリーが 6 万円なら、回収は結局のところ延びます。容量 その値段を同時に入れて、まとめて計算してください。

800 W の機器に何 W のパネルをつなげますか

定格出力はまず出ませんから、パネルを大きめにするのは理にかなっています。ただし接続機器の 1.3 倍を超えると、晴れた日の正午前後で切り捨てが出はじめます。市販のセットは 800 W の機器に 1,000〜1,200 Wp のパネルという構成が多く見られます。

手すりに垂直に付けるとどれくらい取れますか

同じパネルを南向きに傾けた場合の三分の二ほどです。そのかわり冬の割合は相対的によくなります。太陽が低いためで、冬の電気はもともと自家消費しやすいという利点もあります。

ベランダ発電に届け出は必要ですか

系統につなぐなら、電力会社への連系の申し込みが必要で、工事も電気工事士が行います。パネルでポータブル電源を充電して使うだけなら、その手続きは要りません。ただしマンションの場合は管理規約を確認してください。ベランダは共用部分で避難経路でもあり、避難ハッチや隔て板をふさぐ置き方はできません。

台風のときはどうすればよいですか

ここが日本でいちばん大事な点です。手すりに付けたパネルが飛べば重大な事故になります。取り付けは風速を見込んで設計し、接近が予想されるときは取り外せる構造にしておくのが安全です。折りたたみ式のパネルなら、そのまま室内に入れられます。

初期値の電力量料金はどこから来ていますか

大手電力 10 社の従量電灯の水準にもとづく全国平均です。実際の単価は検針票に書かれていますので、それを入れるとずっと正確になります。数字を書き換えるだけで反映されます。

出典と参考