オフグリッド太陽光計算機: 何日もつか、何時間で充電できるか
200 W のパネル、日照 4 時間、1,000 Wh のポータブル電源。これで冷蔵庫とノートパソコンと照明はまかなえるでしょうか。この計算機は機器の消費量を合計し、太陽光の発電量と突き合わせて、太陽なしで何日もつか、ソーラーありなら何日しのげるか、空から満タンまで何時間かかるかを示します。
機器は一覧から選んでも、自分の数字を入れてもかまいません。入力するそばから結果が変わり、計算の手順もそのまま見られます。
結果
一日の不足
85 Wh
発電 600 Wh/日 − 消費 685 Wh/日
- 一日の消費量
- 685 Wh
- 一日の発電量
- 600 Wh
- 200 W × 4 h × 75%
- 日照なしでもつ日数
- 1.3 日
- 使える電力量: 900 Wh
- ソーラーありでもつ日数
- 10.6 日
- 一日 4 h の日照で
- 空から満タンまで
- 6 時間 40 分
- 6.7。一日 4 h なら 1.7 日 · 機器を使ったままでは満タンになりません (余剰がありません)
- 消費量のうち太陽光でまかなえる割合
- 88%
- 一日 85 Wh 足りません。バッテリーはおよそ 10.6 日 で空になります。日照 4 h で釣り合わせるには、あと 230 W のパネルを足すか、消費を 85 Wh 減らす必要があります。
計算の手順を見る
- 1ポータブル冷蔵庫: 45 W × 10 h = 450 Wh
- 2ノートパソコン: 65 W × 3 h = 195 Wh
- 3LED 照明: 10 W × 4 h = 40 Wh
- 4一日の消費量の合計: 685 Wh/日
- 5太陽光の発電量: 200 W × 4 h × 75% = 600 Wh/日
- 6一日の収支: 600 Wh/日 − 685 Wh/日 = -85 Wh/日
- 7使える電力量: 1,000 Wh × 90% = 900 Wh
- 8日照なしでもつ日数: 900 Wh ÷ 685 Wh/日 = 1.3 日
- 9ソーラーありでもつ日数: 900 Wh ÷ 不足分 85 Wh/日 = 10.6 日
- 10空から満タンまで: 1,000 Wh ÷ (200 W × 75%) = 6.7 時間。一日 4 h なら 1.7 日
計算のしくみ
土台になる数字は三つだけです。機器が一日に使う電力量、同じ一日にパネルが作る電力量、そしてバッテリーに入っている電力量。収支も、もつ日数も、充電時間も、すべてここから出てきます。
消費量 [Wh/日] = Σ 消費電力 [W] × 使用時間 [時間/日]
発電量 [Wh/日] = パネル出力 [W] × 日照時間 [時間/日] × 0.75
収支 [Wh/日] = 発電量 − 消費量この 0.75 がシステム効率です。200 W のパネルが実際に 200 W を出すことはまずありません。パネルの温度、向き、チャージコントローラー、配線がそれぞれ取り分を持っていくからです。車やタイニーハウスの屋根に寝かせた状態なら 60〜75%、しっかり傾けて MPPT を使えば 80% まで届きます。値は「詳細設定」で変えられます。
使える電力量 [Wh] = 容量 [Wh] × 使える割合 (ポータブル電源はおよそ 90%)
日照なしでもつ日数 = 使える電力量 ÷ 消費量
ソーラーありでもつ日数 = 使える電力量 ÷ 不足分 (収支がプラスなら無制限)充電時間 [日照時間] = 容量 [Wh] ÷ (パネル出力 × 0.75)
充電日数 = 日照時間 ÷ 一日の日照時間ここでいう 日照時間 は、太陽が空に出ている時間ではありません。その日の日射量を定格出力に換算した 等価日照時間 です。日本では冬に 2〜3 時間、春と秋に 3〜4.5 時間、夏の晴れた日でも 4.5〜5 時間ほど。地中海沿岸ほどは伸びません。
日本で一番弱いのは 12 月ではありません
ヨーロッパの多くの地域では 12 月が底ですが、東京の観測値では 10 月から 11 月 が一年で最も弱くなります。秋雨前線と台風で曇りが続くからです。6 月の梅雨でも同じように落ち込みます。逆に 12 月から 3 月は空気が乾いて晴れる日が多く、寒さでパネルの効率も上がるため、意外と発電します。一年を通して使う設備は、冬ではなく 秋の長雨 を基準に考えてください。
数値で見る例
車中泊の週末です。折りたたみパネル 400 W、日照 4 時間、ポータブル電源 2,000 Wh。積んでいるのはポータブル冷蔵庫、ノートパソコン、LED 照明、モバイルルーター、スマートフォン 2 台、そして朝のコーヒーメーカー 9 分です。
入力値
- パネル出力: 400 W
- 一日の日照時間: 4 時間
- バッテリー / ポータブル電源の容量: 2,000 Wh
- 機器:
- Kühlbox: 45 W × 12 時間/日
- Laptop: 65 W × 4 時間/日
- LED-Licht: 10 W × 5 時間/日
- Mobiler Router: 10 W × 8 時間/日
- Smartphones (2×): 20 W × 2 時間/日
- Kaffeemaschine: 1,200 W × 0.15 時間/日
- システム効率: 75 %
- 使える容量の割合: 90 %
結果
50 Wh
一日の余剰
- 一日の消費量
- 1,150 Wh
- 一日の発電量
- 1,200 Wh
- 日照なしでもつ日数
- 1.6 日
- ソーラーありでもつ日数
- 無制限
- 空から満タンまで
- 6 時間 40 分
- 消費量のうち太陽光でまかなえる割合
- 104%
計算の手順
- Kühlbox: 45 W × 12 h = 540 Wh
- Laptop: 65 W × 4 h = 260 Wh
- Kaffeemaschine: 1,200 W × 0.15 h = 180 Wh
- Mobiler Router: 10 W × 8 h = 80 Wh
- LED-Licht: 10 W × 5 h = 50 Wh
- Smartphones (2×): 20 W × 2 h = 40 Wh
- 一日の消費量の合計: 1,150 Wh/日
- 太陽光の発電量: 400 W × 4 h × 75% = 1,200 Wh/日
- 一日の収支: 1,200 Wh/日 − 1,150 Wh/日 = 50 Wh/日
- 使える電力量: 2,000 Wh × 90% = 1,800 Wh
- 日照なしでもつ日数: 1,800 Wh ÷ 1,150 Wh/日 = 1.6 日
- 収支は釣り合っているかプラスです。この日照時間なら消費量は毎日まかなえます。
- 空から満タンまで: 2,000 Wh ÷ (400 W × 75%) = 6.7 時間。一日 4 h なら 1.7 日
- 機器を使いながらの場合: 2,000 Wh ÷ 余剰 50 Wh/日 = 40 日
入力値の説明
- パネル出力 (W)
- モジュールに書かれている定格出力 (Wp) です。複数枚なら合計してください。折りたたみ式は太陽に正対させて初めてこの数字に近づきます。
- 一日の日照時間 (時間)
- 等価日照時間です。日本では冬 2〜3 時間、春秋 3〜4.5 時間、夏 4.5〜5 時間。曇りの日はその 10〜25% しか残りません。
- バッテリー / ポータブル電源 (Wh)
- 機器に書かれた定格容量です。Ah 表示なら電圧を掛けてください。100 Ah × 12.8 V = 1,280 Wh になります。
- 機器の消費電力 (W) と使用時間 (時間/日)
- 実際の消費電力と、実際に動いている時間です。冷蔵庫やヒーターの送風のように入り切りを繰り返す機器は、動いている時間が全体の 30〜50% しかありません。その時間を入れてください。
- システム効率 (%)
- パネルからバッテリーまでの損失です (初期値 75%)。温度、向き、チャージコントローラー、配線が含まれます。
- 使える容量の割合 (%)
- ポータブル電源が実際に出せるのは定格の 85〜92% です (BMS の余裕と変換損失)。鉛バッテリーなら半分しか使えません。
よくある間違い
- 日の出から日没までを日照時間として数えてしまう。空に太陽が 10 時間出ていても、等価日照時間は夏で 4.5〜5 時間、冬なら 2〜3 時間です。
- ポータブル冷蔵庫を 24 時間で計算してしまう。入り切りを繰り返すので、夏でも実働は 8〜12 時間です。
- コーヒーメーカーや電気ケトルを軽く見てしまう。1,200 W を 9 分で 180 Wh、LED 照明 18 時間分に相当します。
- カタログの容量をそのまま使ってしまう。1,000 Wh と書かれていても、コンセントから取り出せるのはおよそ 900 Wh です。
- 余った分を蓄えと考えてしまう。昼にバッテリーが満タンになれば、そこから先の発電は捨てることになります。
- 一番条件のよい日で設計してしまう。曇りが三日続くのは珍しくありません。「日照なし」の数字こそが本当の余裕です。
前提と限界
- 一日の消費量と日照時間は毎日同じものとして計算します。
- システム効率 (初期値 75%) に、パネルからバッテリーまでの損失をすべてまとめています。
- バッテリーが満タンのときに余った発電量は蓄えられません。
- 充電時間は空の状態からの計算で、入力の上限は考えていません。ポータブル電源にはソーラー入力に 200 W などの上限があることが多く、その場合はもっと時間がかかります。
- 温度による容量の変化とバッテリーの劣化は計算に入れていません。
よくある質問
ソーラーパネルの一日の発電量はどう計算しますか
パネル出力に等価日照時間を掛け、さらにシステム効率を掛けます。200 W のパネルを日照 4 時間、効率 75% で使うと 200 × 4 × 0.75 = 600 Wh です。冬に日照が 2.5 時間なら 375 Wh まで下がります。
自分の消費量には何 W のパネルが必要ですか
一日の消費量を (日照時間 × 0.75) で割ります。685 Wh を日照 4 時間でまかなうなら 685 ÷ 3 ≈ 230 W です。収支がマイナスになると計算機がこの数字を出します。曇りの日のために 20〜30% 上乗せしておくと安心です。
1,000 Wh のポータブル電源は何日もちますか
実際に使える電力量、およそ 900 Wh を一日の消費量で割ります。一日 685 Wh なら、日照なしで 1.3 日です。一台だけを動かす場合はその消費電力で割ってください。45 W の冷蔵庫なら約 20 時間、65 W のノートパソコンなら 14 時間近くもちます。
ソーラーでポータブル電源を満充電するのにどれくらいかかりますか
容量 ÷ (パネル出力 × 0.75) で必要な日照時間が出ます。1,000 Wh を 200 W のパネルで充電するなら 1,000 ÷ 150 ≈ 6.7 時間。一日 4 時間の日照なら二日弱です。その間に機器を使っていれば、余った分しか充電に回りません。
等価日照時間とは何ですか。日本ではどれくらいですか
1 時間 = 1 kWh/m² の日射量にあたります。その日の日射量を、太陽が全力で照った時間に置き換えた値です。日本の年間日射量はおよそ 1,200〜1,500 kWh/m²、平均すると一日 3.5〜4 時間ほどになります。月別では 12 月が 2.5〜3 時間、5 月が 4.5〜5 時間です。
100 W のパネルなのに 60〜70 W しか出ないのはなぜですか
定格出力は日射 1,000 W/m²、モジュール温度 25 °C、光が垂直に当たる条件での値です。実際にはモジュールが熱くなり、寝かせたり向きがずれたり、汚れや部分的な影がついたりします。そこにコントローラーと配線の損失が加わります。日本の夏は湿度が高く、モジュール温度も上がりやすいので、この差がとくに出ます。合わせておよそ 75% です。
ポータブル冷蔵庫に 100 W のパネルで足りますか
45 W の冷蔵庫が 10 時間動けば一日 450 Wh です。100 W のパネルは日照 4 時間で 300 Wh しか作れません。夏でもぎりぎり、春や秋には届きません。200 W あれば安心です。
アンペアアワーからワットアワーへの換算は
Wh = Ah × 公称電圧です。12.8 V の LiFePO4 100 Ah なら 1,280 Wh、12 V の AGM 100 Ah なら 1,200 Wh になります。ただし鉛から取り出せるのは半分、LiFePO4 なら 80〜90% です。
屋根用のパネルをポータブル電源につなげますか
ポータブル電源が電圧に耐えられるならつなげます。一般的な 400 W モジュールの開放電圧は 35〜45 V ですが、ポータブル電源の入力は 12〜60 V までで、電力も 200 W 程度に制限されていることが多いです。この計算機はパネル出力で計算しますので、お使いの機器のソーラー入力の上限を確認してください。
出典と参考
- PVGIS (欧州委員会 JRC): 地点ごとの日射量データ
- NEDO 日射量データベース: 日本各地の日射量
- ポータブル電源とソーラーモジュールのメーカー仕様書 (容量、ソーラー入力、STC 条件)